
| タイトル | 葛飾区セルロイド工業発祥記念碑 |
| 作者 | 長沼孝三 |
| 設置場所 | 東京都葛飾区 渋江公園 |
| 製作年 | 1952 |
| 発祥年 | 1914 |
葛飾區 セルロイド工業 發祥記念碑
大正3年4月わがセルロイド工業界の先覺 故千種稔氏がこの地に初めて玩具工場を設けてより30有餘年 斯業は幾多の優秀な後継者たちの努力によって日に月に發展し 今や関係業者数万を超えその生産額はわが國輸出総額の過半数を占める繁栄を示し 實に葛飾工業地区の中心となるに至った 昭和26年秋 渋江公園が千草氏創業の由緒深いこの地域に開放されるに當り この事業の發展を希う地元有志相はかってセルロイド工業發祥の地にふさわしい平和を希望とを象った記念兒童群像を長沼孝三氏に委嘱し 公園に美しい風景を添えると共に遥かに先人の遺業をしのぶよすがとした
昭和27年11月23日
東京都葛飾區セルロイド工業發祥記念碑 建設會有志
セルロイドは、1856年に発明された、ニトロセルロースと樟脳を合成することで作られる世界初の人工プラスチック。1870年代には硝酸セルロースと樟脳を合成することで可塑性が高まり、1872年に正式に「セルロイド」と命名された。樟脳はクスノキ由来、セルロースも綿由来であり、天然物から作られるプラスチックである。セルロイドは丈夫で長持ちし、加工しやすい画期的な材料だった。写真のフィルムをはじめ、万年筆の軸や定規などの文房具、眼鏡フレーム、クシ、洗面器、ビリヤードのボール、卓球の球、ギターのピック、レコード盤、アニメのセル画など、日常のあらゆる分野でセルロイドが使われた。この地・葛飾区では1916年(大正5年)からセルロイド工業が始まり、昭和初期にかけて特に人形の生産の一大拠点として発展を遂げた。キューピー人形や女の子の人形など多くの人形が生産された。
セルロイドは170度になると燃えてしまう可燃性の高さが弱点だった。摩擦だけで出火することもあった。そのため、1950年ごろから、難燃性のソフトビニールやアセテートが使用されるようになり、セルロイド産業は衰退の道を歩む。現在では、眼鏡フレームやギターピックなどごく限られた用途にしか使われていない。
この長沼孝三の作品は、セルロイドの人形3体がかわいらしく座っている。長沼孝三は1908年山形県西置賜郡生まれの彫刻家。東京美術学校卒業。1943年満州美術学校教授、戦後の1963年から東京家政大学教授。日展参与。

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