「南瓜」草間彌生

2023.10 撮影
タイトル南瓜
作者草間彌生
設置場所福岡市中央区 福岡市立美術館
製作年1994

草間彌生は1929年長野県松本市出身の芸術家。10歳のころから、花や物が人間のように自分に話しかけてくる幻聴や、目の前一帯が網目や水玉で覆われるような幻覚に悩まされていたという。

草間は高校時代から絵で頭角を現す。京都市立美術工芸学校を卒業後、地元松本市で個展を開く。この個展を信州大学の精神科医・西丸四方が鑑賞し感動して絵も購入する。西丸は草間を統合失調症と診断し、治療にあたるとともに、芸術家・草間彌生を支えた。

1954年から、東京で4度開催された個展は世の評判を呼ぶ。1957年に渡米し、草間はシアトル、ニューヨークで個展を開く。以後、ニューヨークを拠点にして、絵画だけではなくモニュメントやパフォーマンス、インスタレーション、映画など多彩な活動で世界を魅了し、「前衛の女王」と呼ばれた。

プラトニックな関係ではありながら、草間に深く愛情を注いでいたジュセフ・コーネルが1972年に急逝すると、心身のバランスを崩した草間は日本に戻る。1977年に自ら精神病院に入院する。以降、現在に至るまで、病院とアトリエを行き来しながら、魂の込められた膨大な傑作を生み続けている。

2017年に国立新美術館で開催された「草間彌生 わが永遠の魂」は素晴らしい展覧会だった。以後、私の心には草間彌生が棲んでいる。

厳格な母は、子ども時代の彌生が絵を描くたびに破り捨てていたという。また、母は、彌生の父の浮気の監視も幼い彌生に担わせていた。彌生が水玉をモチーフにした作品を製作するのは、耳なし芳一のように自分の身体を水玉で埋め尽くして自らを守るためだとも言われている。

この作品は、草間の典型的な立体作品。戸外で草間彌生の作品を目にする貴重な機会を、この福岡で得ることができた。魂の響きを感じた。

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