
| タイトル | 旧日本生命保険株式会社九州支店 |
| 作者 | 辰野金吾/片岡安(設計) |
| 設置場所 | 福岡市中央区 西中島橋西側(福岡市赤煉瓦文化館) |
| 製作年 | 1909 |
| 備考 | 重要文化財 |
辰野金吾の魅力あふれる建築物。いつまでも見飽きない。国の重要文化財。
辰野は「日本近代建築の父」と言われる建築家。代表作は東京駅や日本銀行本店など。1854年に唐津藩(現在の佐賀県北部)下級役人の子として生まれる。1873年に工部省工学寮(現在の東京大学工学部)に第1回生として入学。2年次修了時に造船科から造家科(建築科)に移る。1877年にイギリスからジョサイア・コンドルが着任すると、辰野はコンドルから建築設計の真髄を学び、1879年に首席で卒業する。1880年からイギリスに留学し、コンドルの旧職場であるバージェス建築事務所とロンドン大学で学ぶ。帰国後は建築家として日本を代表する建物をいくつも設計すると同時に、大学教授として後進を育て、西洋建築を日本に定着させた。
この旧日本生命保険株式会社九州支店は「辰野式フリークラシック」の典型例と言える極めて美しい建物。辰野式フリークラシックは、赤煉瓦の石積に花崗岩の白いラインを走らせ、上に華麗な塔やドームを載せるスタイル。辰野がイギリスで学んだ「クイーン・アン様式」や「ヴィクトリアン・ゴシック様式」を咀嚼し辰野が自ら生み出した。辰野はこの辰野式フリークラシックにこだわらず、場所や用途に応じた設計を自在に操る建築家でもあった。また、辰野は非常に堅牢な建物を設計することでも知られており、「辰野堅固」と渾名されほどだった。この建物は、博多・天神を襲った1945年の苛烈な福岡大空襲をも辛うじて焼け残った強靭さも備えている。
忘れ難い眼福をいただいた。

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