「ゴッホ記念像」オシップ・ザッキン

2022.10 撮影
タイトル ゴッホ記念像(Monument of Van Gogh)
作者オシップ・ザッキン(Ossip Zadkine)
🇷🇺ロシア 🇫🇷フランス
設置場所山梨県甲府市 芸術の森公園
製作年1956

ザッキンには珍しい、かなり写実性の高い彫刻作品。ゴッホは、1853年オランダ生まれ。色彩豊かな絵画で知られているが、若い頃から描いてきた多くの絵画は、ジャガイモや納屋などオランダ・ベルギーの農村風景を切り取った暗い画調の素朴な絵画ばかりだった。ゴッホの絵に鮮やかな色彩感覚が顕れるのは、1886年にパリに移り当時の最新の芸術・文化に触れて以降に限られる。パリ、そしてアルルに移り、1890年に精神を病み亡くなる間の晩年に、「夜のカフェテラス」や「星月夜」などの綺羅星のような傑作が次々と生み出された。2010年の「没後120年  ゴッホ展  こうして私はゴッホになった」を見て、私もゴッホを見る視点が変わった。2026年の「大ゴッホ展」も、素晴らしい展覧会だった。

若い頃のゴッホの素朴な絵も味があり魅力的だと思うが、世間には評価されなかった。膨大なタブローを残しているものの、晩年の作品を含め、生前に売れたのは「赤い葡萄畑」たった1枚だった。

ザッキンは、ゴッホが亡くなった1890年に生まれている。生涯、画家として評価されることなく精神を病んで亡くなったゴッホが追い求めた美の真髄に、ザッキンも感じるところがあったのだろう。ザッキンはこの作品の他にも弟・テオとの2人像を製作している。

芸術に憑かれて芸術と心中したゴッホの無垢の魂が伝わるようだ。キャンバスを背負い絵筆を握り道を求めて歩みを進めるゴッホの眼差しはこの上なく清々しい。

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