「Valleys」若林奮

2023.8 撮影
タイトルValleys
作者若林奮
設置場所神奈川県横須賀市 横須賀美術館
製作年2003

横須賀美術館の前庭にある全長46m、高さ3m、幅1.5mの長大な谷。訪問者は鑑賞しながら谷を通り抜けることができる。谷の法面には波打つような凹凸も造形されており、通り抜ける間、時間と時間のはざまにいるような不思議な感覚が襲ってくる。長大な谷は、タイムトンネルのように心を揺らす。

製作したのは若林奮。1936年東京都南多摩郡町田町(現・町田市)生まれの彫刻家。東京藝術大学卒業。鉄など金属を素材にした作品を多く製作した。武蔵野美術大学、多摩美術大学で教職も務めた。

VALLEYSは1990年に開催された「ファルコン’90現代の美術展」(幕張メッセ)に出品された。そのときは、二つの谷によって構成された作品だった。2003年、病に侵された若林は、作品の寄贈を急いだという。若林は7月に横須賀市教育委員会に寄贈を申し入れる手紙を書き、それが受理された直後の2003年10月に息を引き取った。享年67歳。設置されたのは3年後なので、この風景を若林自身が見ることはなかった。下記のページを参考にさせていただいた。

『特集「没後20年 若林奮」VALLEYS誕生の物語を観る(横須賀美術館)』
特集「没後20年 若林奮」令和5年度 第2期収蔵品展 往訪日:2023年9月3日会場:横須賀美術館会期:2023年7月8日~10月1日開館時間:(月曜休館)1…

もう一つの谷は横須賀に設置されなかった。谷を渡りながら、もう一つの谷をイメージする。切り通しの先に、三浦の青い海がくっきりと輝き始める。

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