
| タイトル | 松本たかし句碑 |
| 作者 | 不明 |
| 設置場所 | 神奈川県三浦市 城ケ島公園 |
松虫にささで寝る戸や城ヶ島
「ささで(鎖さで)寝る」は戸締りをしないで寝ること。この句は1938年の作。戦争の気配が近づくなか、首都を守る要塞だった城ヶ島は入島が厳しく規制されており、島民は戸締りをしないでも眠ることができるような状況だった。松虫の音を静寂と夜の帷が包み込みような平和、そして、微かな胸騒ぎ。
松本たかしは1906年東京生まれの俳人。能楽師の家に生まれるが体が弱く能楽を断念、高浜虚子の門下として「ホトトギス」同人となり、俳句の道を進む。説明プレートは下記の通り。
松虫にささで寝る戸や城ヶ島
たかし
秋の夜、松虫が鳴いている。島の漁家は戸締まりをしないまま、松虫の鳴く声につつまれて安らかな眠りに入っている。「ささで(鎖さで)」は「門戸をしめないで」の意。
この俳句は、松本たかし昭和13年(1938)の作。
当時この城ヶ島に大橋はなく、三崎との渡し舟が唯一つの便であった。更に東京湾防備の要塞地帯で、島へ渡るのには軍の制約があり、殊に夜に渡る人など稀であったことから、初秋の夕べには虫の鳴きこぞる島となった。
たかしは三崎の友の案内で虫を探すことができた。
島の漁家のいとなみは、素朴そのもの。松虫の鳴く頃は、涼をとるため蚊帳を吊って、雨戸を開けたままで寝ている。このような島の情が、たかしの高い詩心によってうたいあげられた。
松本たかし=子規、虚子の写生を根本とした俳人。
三崎の風光を愛し、しばしば来遊。
昭和31年(1956)没。その墓も三崎本瑞寺にある。
三浦市
俳誌「笛」同人会

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