
| タイトル | 下丸子耕地整理事業完了記念碑 |
| 作者 | 日名子実三 |
| 設置場所 | 東京都大田区 下丸子天祖神社 |
| 製作年 | 1936 |
日名子実三は1892年、大分県臼杵市生まれの彫刻家。はじめ慶應義塾大学部理財科に入学するがすぐに退学、東京美術学校に入り直し、こちらは主席で卒業した。朝倉文夫に師事する。1925年に斎藤素巌とともに構造社を設立。構造社はアールデコの作風を取り入れ、建築と彫刻を融合させた前衛的な作品製作を標榜した。1932年に、日名子は日本サッカー協会のシンボルである八咫烏もデザインしている。
この作品は、日本神話に登場する大国主命と少名彦による「国造り」をモチーフにしたものと考えられる。因幡の白兎伝説で大国主命が助けた兎も足元にいる。強い踏み出した左足に力を感じる。土地改良の記念として国造り神話を持ってくる意気と、造形の見事さに心を奪われる。
日名子が活躍したのは戦前・戦中の時期。残された作品の多くは軍国主義の影響が感じられる。日名子は終戦直前の1945年4月に脳溢血のため急逝する。特攻で亡くなった兵士のレリーフを遺族のために作成中だったという。享年53歳。もし、戦後も創作を続けていたら、本来の前衛作家として、どんな傑作を生み出していただろう。
今見ることができる日名子の作品は限られている。その意味でも、この下丸子の力作は大変貴重なものだと思う。

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