「宮澤賢治と花巻市の鳥『ふくろう』」宮澤賢治/宮澤やよい/(有)清水石材

2023.9 撮影」
タイトル宮澤賢治と花巻市の鳥「ふくろう」
作者宮澤賢治(文)、宮澤やよい(書)、(有)清水石材(制作)
設置場所東京都豊島区 上池袋さくら公園
備考梟の路のふくろう像(第22号)
世界がぜんたい
幸福にならないうちは
個人の幸福は
ありえない

宮澤賢治

宮澤賢治らしい言葉だ。この言葉、賢治が自らの全生命を賭けた理想の社会変革と生き方の宣言書とも言える「農民芸術概論綱要」の冒頭の序論に登場する。賢治の魂がこもった言葉だ。

モニュメントの下に彫られている「疾翔大力」は宮澤賢治の小説「二十六夜」に登場する菩薩。あらすじは下記。

二十六夜の月の夜、ふくろうの長老が若き鳥たちに、自己犠牲を体現した「疾翔大力(しっしょうだいりき)」という菩薩の物語を語り聞かせます。その説教の最中、群れの中で最も大人しくしっかり者だった「穂吉(ほきち)」が、人間に捕まって両脚を折られるという悲劇が起きます。萱原に放り出された穂吉は、激しい痛みに泣き苦しみながら命を落としてしまいました。仲間の鳥たちは怒りと怨みに駆られますが、長老は「我らもまた他の命を奪って生きてきた」と諭し、怨みを捨てて祈るよう命じます。鳥たちが一心にまごころの祈りを捧げると、夜空に神々しい光が満ちあふれ、疾翔大力ら三尊の仏が月の光の中に現れます。非業の死を遂げた穂吉の魂は優しく救い上げられ、大いなる平穏に包まれるのでした。

(要約はGeminiによる)

憎しみに蓋をして聖人のように生きることは極めて難しい。自分を害する人でも愛さなければならないのだろうか。あらためて、賢治の破壊力に圧倒される。見下ろすようなフクロウの炯眼に心をつかまれる。

宮澤やよいは、賢治の実弟・宮澤清六の孫である宮澤和樹の妻。東京学芸大学書道科卒業後、渡英。ハスティング・カレッジでアートデザインを学ぶ。

花巻市の鳥「フクロウ」は合併を機に2007年に制定された。豊島区と同じくフクロウをシンボルにていることから交流が始まり、2010年に花巻市の市民団体から豊島区へこの像が送られた。

「農民芸術概論綱要」と「二十六夜」は青空文庫で読める。

宮沢賢治 農民芸術概論綱要
宮沢賢治 二十六夜
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