「逓 -昨日・今日・明日-」藤原吉志子

藤原吉志子の持ち味が発揮された楽しく愛らしい作品。日本で郵便事業が開始されたのは1871年で、手紙や葉書は100年以上の間、人と人の間の情報や感情を伝え続けてきた。ネット社会の広がりによりその存在意義は少しずつ弱くなっているが、まだまだ、紙そのものを使う郵便の良さは引き継がれて行くと思う。

この作品は、難儀な配達もものともしない配達員の軽やかさが魅力。一番上の配達員には天使の羽も生えている。その横の三日月は、伊達政宗のお膝元、仙台の風景を穏やかに飾っている。