「太極の十字」朱銘 - パブリックアート散歩

朱銘は、日本統治下の台湾で生まれたアジアを代表する彫刻家。1976年の個展をきっかけに人気を博し、1980年代から「人間シリーズ」と「太極拳シリーズ」の2系統の作品を続々と生み出した。1980年にアメリカに渡り活動拠点とする。1999年に台湾新北市に個人美術館を完成させた。

太極拳シリーズは、人間の肉体を極めて単純化することで、逆にリアルに動きを伝える力があると思う。石は動かないが、私たちの意識に働きかけ、それは太極拳のたゆたいの様にゆっくりと動き始める。

日本のパブリックアートとして朱銘が見れる場所は限られている。私は、ここしか知らない。たいへん貴重なパブリックアートだと思う。

朱銘は、2023年に台北の自宅で85歳で没した。自殺だったという。理由は詳らかになっていない。