「手形」山本陽子、雪村いづみ、吉永小百合、若山富三郎、ジャッキー・チェン、ジョディー・フォスター

山本陽子は1942年に生まれる。國學院高校卒業後は野村證券に勤務、投資信託の営業をしていた。知人が日活に応募書類を送ったことで第7回日活ニューフェイスに合格し芸能界に入る。初めは大きい役には恵まれなかった。1965年に渡哲也主演の映画「青春の裁き」でヒロイン役。1969年のテレビドラマ「球形の荒野」で主演。1976年に主演したテレビドラマ「となりの芝生」の演技は話題を呼んだ。清楚なたたずまいの女優だが、「黒革の手帖」の悪女役など、幅広い役を演じる技倆を兼ね備えていた。舞台でも活躍し、主演した「おはん」は400回の公演を重ねた。車好きで、若い頃は赤いポルシェ911やジャガーに乗っていた。左利きのその整った掌。

雪村いづみは1937年生まれ。父は音楽好きで働きながら自らハワイアンバンドにも参加していた。その父が1946年、雪村が9歳の時に自死、1952年には母が経営していた東興映画が倒産し困窮に見舞われる。高校には合格していたが学費が払えず進学を断念した。新橋のダンスホール「フロリダ」に気晴らしに行った時、歌手になりたいと支配人に申し出る。給料なしということで、雪村の歌手としてのキャリアはスタートする。その年に日劇ミュージックホールで初舞台を踏み、進駐軍相手にも歌っていた。1953年に「想い出のワルツ」でレコードデビュー。これが20万枚の大ヒットとなった。その後もヒットを重ね、江利チエミ・美空ひばりと三人娘と呼ばれた。この3人が主演した1956年の東宝映画「ロマンス娘」は空前の大ヒットとなった。約60本の映画に出演し、歌手だけでなく女優としても力を発揮した。1959年に初渡米しアメリカでも話題となり、1960には全米12都市で公演を行う。父の無念をいくばくかは果たせたのだろうか。

吉永小百合は日本を代表する女優。渋谷出身。1945年3月13日、東京大空襲の3日後に生まれる。1957年にラジオドラマ「赤胴鈴之助」でデビュー。同年、テレビドラマ「赤胴鈴之助」でテレビデビュー。1959年に松竹映画「朝を呼ぶ口笛」で映画デビュー。1960年に都立駒場高校入学とともに日活に入社。1962年の「キューポラのある街」が大ヒットし日活の看板女優となる。1969年に早稲田大学を次席で卒業。代表作に「おはん」「天国の駅」「つる-鶴-」「華の乱」「長崎ぶらぶら節」「北の零年」「動乱」「夢千夜日記」「時雨の記」「母べえ」「北の桜守」「こんにちは、母さん」など。その端正な「ゆめ」の文字と手の美しさ。

若山富三郎は1929年に生まれ、父は長唄三味線の杵屋勝東治。勝新太郎は弟。日本大学では柔道に打ち込んだ。1954年に新東宝からのスカウトを受けて芸能界入り。役に恵まれない不遇時代を経て、1968年の「総長賭博」の助演で認められる。以後、「極道シリーズ」「賞金稼ぎシリーズ」「子連れ狼シリーズ」などで人気を不動のものとする。

ジャッキー・チェンは1954年生まれ。香港のカンフー俳優。7歳から約10年にわたり中国技劇学院で京劇や中国武術を学ぶ。学院が閉鎖された後、エキストラやスタントマンを務めるが芽が出ず、オーストリアの両親の元に戻り、佐官やコックの職に就く。1976年に香港に戻り、1977年の「スネークモンキー蛇拳」1978年の「ドランクモンキー酔拳」1979年の「クレージーモンキー」と、コメディタッチを盛り込んだカンフー映画で大人気となる。1998年の「ラッシュアワー」ではハリウッドで大成功を収め、世界的なスターとなる。

ジョディ・フォスターは1962年生まれのアメリカの女優。大学は、ハーバード大学、コロンビア大学など複数の名門に合格し、イェール大学に進学する。俳優としては子役から活躍。1976年の「タクシードライバー」では12歳の娼婦の役を13歳で演じて全米映画批評家協会賞助演女優賞や英国アカデミー賞助演女優賞などを受賞、アカデミー助演女優賞にもノミネートされた。1989年の「告発の行方」、1991年の「羊たちの沈黙」の2作でアカデミー賞主演女優賞を受賞する。