「京都タワー」山田守、棚橋諒

2022.9 撮影
タイトルニデック京都タワー
作者山田守(設計)、棚橋諒(構造設計)
設置場所京都市下京区 京都タワー
製作年1964

京都タワーは山田守の設計。山田は、建築には機能性や耐震性を優先すべしという当時の建築界に対し、建築に芸術性を持たせることを主張する「分離派建築会」に参加した建築家。

1953年に、京都中央郵便局の移転により空いた京都駅前に、物産観光センターを建造することが京都市商工会議所により決定。シンボルとなるタワーの設計を山田守および京都大学工学部・棚橋諒に依頼した。タワーは、1963年に着工、翌1964年に竣工した。

京都タワーは鉄骨を一切使わず特殊な鋼板を溶接で繋ぎ合わせる「モノコック構造」で建造された。そのため、なめらかで上品な、他にない独特の外観を見せている。山田のモチーフは、海のない京都の街並みの屋根瓦を波に見立てた灯台のイメージだった。市民は、その形状からロウソクをイメージさせるものとして定着したが、どちらも街を照らすシンボルであることには変わりない。

建設当初は、伝統的な建造物が多い京都にこのような近代的なものが必要なのかということで賛否両論に分かれた。また、当時東寺より高いものは作らないという不文律があり、これも議論になった。そのため、京都タワーは建造物ではなく「工作物」という扱いになった。

京都市では、2007年から新景観政策を採用し、高さ31mを超える建物を作ることができなくなった。現在、東寺の五重塔(57m)を超える建物は、5つしかなく、その中でも131mの京都タワーはダントツに高い。京都で1番高いところからの眺めは、今後も他に譲ることはない。展望台は地上100m。

2024年4月1日から、京都タワーのネーミングライツをニデック(旧・日本電産)が取得しているが、京都市で2番目の高さを誇るビルは南区のニデック本社ビルで100.6mの高さである。

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