
| タイトル | 幸運の種(Luch Dong) |
| 作者 | マルクス・コッペル(Markus Copper) |
| 🇫🇮フィンランド | |
| 設置場所 | 東京都港区 麻布十番商店街 |
| 製作年 | 1996 |
| 備考 | 微笑みのモニュメント |
「麻布十番微笑みのモニュメント」のなかの一作。フィンランドのマルクス・コッヘルの「幸福の種」という作品。コッヘルは1968年生まれの彫刻家。若くして頭角を現したコッヘルの27歳の時の作品。
公式ホームページによれば、コッヘルは「人間がものを動かす正しい力を見つけられれば、人間の努力によって種子が生まれ、育ち、喜びを与えることができる」をテーマに据えたという。では、ものを動かしてみよう。すると、下の動画のようになった。
舌(ぜつ)が仕込んであり、動かすと鐘が鳴る。
マルクス・コッヘルはその過激な作品で知られる。1994年の「Mayhem(大混乱)」では爆音と過激な光で観客を恐怖のどん底に突き落とし、「Juggernaut(圧倒的な破壊力)」では巨大な鉄球が赤外線センサーにより観客を追い回した。1995年の「Sixpack of Instant Death」は6つに分けられた彫刻作品だが、全てを繋げると本当に爆発する仕組みになっていた。コッヘルはそれを知らせず6人の知人らに送った。狂気の沙汰だ。2019年にコッヘルが亡くなった翌年の2020年、フィンランド警察が25年ぶりに6つのパーツを集めようやく無害化した。
1996年には自らの左腕を電動ノコギリで切り落とすという事件があった。事故なのか故意なのか何らかのパフォーマンスなのかはわかっていない。それ以来、左腕には義手を付けた。
最初は本名のマルクス・パーヤネン(マルクス・ティモ・ユハナ・パーヤネン)を名乗っていたが、1990年代の過激なパフォーマンス中に着火剤のボトルを足の上で破裂させてしまい太腿が銅の様な色(コッヘル)になった。それを機にマルクス・コッヘルに改名した。
2000年台になると、沈没事故などをモチーフに、極限状態で人が味わう恐怖や絶望を再現したインスタレーションを次々と発表した。
この麻布十番の作品も、はじめは「悪魔の搾乳機」と呼ばれる数万年かけて作られた自然の縦穴の中に人間を込めるという奇怪なデザインが考案されたが、あまりに陰鬱で街路に馴染まないだろうとコッヘルも考え、一から構想を練り直してこの「幸運の種」が生まれたという。コッヘルの作品の中でも異質といえる平和な作品になった。
正直、「悪魔の搾乳機」も見たかったなあ。しかし、鐘を鳴らしても爆発しなくてよかった。つい微笑みが漏れてしまう。


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