「無」イサム・ノグチ

2023.1 撮影
タイトル
作者イサム・ノグチ
設置場所東京都港区 慶應義塾大学三田キャンパス
製作年1951

戦後の1950年、戦禍のため甚大な被害をうけた慶應義塾大学の復興を委託された建築家・谷口吉郎は、萬來舎のインテリア・デザインをイサム・ノグチに委嘱した。イサムの父・野口米次郎は文学者・詩人。渡米のため慶應義塾を中退し、アメリカから帰国後の1905年に慶應義塾大学文学部教授に就任した。イサムは、その父の縁で谷口に呼ばれた。イサムは、父の、母に対する不実にたいへん苦しめられたが、父の存在がここではプラスに働いたようだ。

現在、萬來舎は老朽化のため取り壊されてしまったが、この「無」は、その萬來舎に隣接する庭園に飾られていたもの。どっしりと存在を世界に示しているようだ。説明板は下のとおり。

イサム・ノグチ

1950-51年 白河石

この彫刻は、建築家谷口吉郎と彫刻家イサム・ノグチの共同制作になる第二研究室(2003年解体)の談話室「新萬來舎」の庭のために制作された。ノグチは灯籠をイメージし、この彫刻を西向きに設置。沈み行く夕日が円相の中に落ちるとき、自然を光源とする造形が浮かびあがる。制作当初は田の西方に広がるパノラマをその開口部から眺望できた。のちの太陽をモチーフとするノグチの仕事の原型として働めて重要な作品である。

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