「機械搬入口(黒い竜 – 家族用)」マリーナ・アブラモヴィッチ

2022.12 撮影
タイトル機械搬入口(黒い竜 – 家族用)
作者マリーナ・アブラモヴィッチ(Marina Abramović)
旧ユーゴスラビア 🇳🇱オランダ
設置場所東京都立川市 ファーレ立川
製作年1994設置

マリーナ・アブラモヴィッチは世界的に知られたパフォーマー。1946年旧ユーゴスラビア出身。彼女は、自分の肉体に暴力を課すパフォーマンスをおこなった。例えば…

「Rhythm 10」(1973年) 20本のナイフを用意し、指を広げてその指の間に素早くナイフを突き立てるパフォーマンス。自分の指を傷つけるたびに新しいナイフと取り替え、その様子を2台のテープレコーダーで録音した。

「Rhythm 0」(1974年) 観客の前にバラ、羽、ハチミツ、ムチ、オリーブオイル、ハサミ、メス、銃、銃弾など72種類の道具を置き、6時間の間、横たわる彼女に何をしても良いというパフォーマンス。6時間の間に観客の暴力はエスカレートしていった。服は剥ぎ取られ、乳房にはバラの花びらが貼られ、ポラロイドカメラで撮影され、観客同士の争いが起こり、マリーナは恐怖により髪の一部が白髪になった。

「Rythme 5」(1974年) ガソリンを床に星型に撒き、それを燃やして、まず切った爪や髪を投げ入れる。そしてマリーナが燃え盛る火の真ん中に横たわる。共産主義に対する批判。酸欠により意識を失い、死にかける。

「Thomas Lips」(1975年) 腹部にカミソリで傷を作ってその血で腹に星を描き、数十回鞭で打たれたうえ、全裸で氷の十字架に横たわる。この時も失神して観客に助けられた。

「宇宙の関係」(1976年) 当時の伴侶であるウライとのパフォーマンス。互いに全裸になり、舞台の両側から歩き出しぶつかることを何度も繰り返す。

「The Great Wall Walk」(1988年) ウライと、万里の長城の両端から歩き始め、3ヶ月かけて再開を果たした。二人が別離するためのパフォーマンス。

この立川の作品は、ブラジル産の水晶を使った作品。自分の頭、胸、性器を水晶に押し当てて、瞑想するためのもの。鑑賞者の身体のサイズがそれぞれ違うので、大小いろいろ用意されている。

これは、アブラモヴィッチが仕掛けた巧妙な罠かもしれない。この作品に自分の頭や性器を押し付けた時から、鑑賞者もパフォーマーになる。血潮が疼きだす。表現したくなる。さすがに、自分が全裸で性器を作品に押し付けるのは憚られるが。

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