
タイトル | 旧川崎銀行横浜支店ファサード |
作者 | 矢部又吉(設計) |
設置場所 | 横浜市中区 損保ジャパン日本興亜馬車道ビル |
製作年 | 1922(旧ビル竣工) |
馬車道はかつての横浜を代表する街路の一つ。路に面した街並みには、近代建築のロマンを具現するようなら建物が並んでいた。この旧川崎銀行横浜支店のファザードは1922年・大正11年に建築されたもの。
馬車道は吉田橋から北東に向かい海までを結び、北側の端は渡し場になっていた。1869年に付近の弁天舎という神社が羽衣町に移転した後、フランス公使館やオランダ総領事館、イタリア公使館、北ドイツ連邦公使館などが立ち並び、渡し場を渡った先の神奈川宿にあったフランス領事館も移ってくる。この街に文明が開花した。
矢部又吉は横浜元町出身、1888年生まれの建築家。父も建築請負人の矢部国太郎。立教中学、工手学校(現在の工学院大学)卒業後、妻木頼母に師事する。1906年にドイツにわたり、シャルロッテンブルク工科大学で建築を学ぶ。この建物は川崎財閥の銀行だった川崎銀行の横浜支店のファザード。矢部は、川崎財閥グループの日本火災等の重役を歴任した早川鉄治の娘を娶った縁もあり、川崎財閥系の建物の設計を多く手がけた。この建物は1986年に解体されたが、ファザードは歴史的建造物としてそのイメージが復元された。ネオルネッサンス様式が採用された。ルネッサンス・リバイバル建築とも呼ばれたもので、15〜17世紀に流行したルネッサンス様式が、19世紀半ばから、新たな要素を加え再流行した。正円アーチ、左右対称、水平の強調などの特徴があり、この矢部のファザードにもよくあらわれている。
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