「子爵渋沢栄一像」小倉右一郎

養育院は1872年に創設された。明治維新後には社会が混乱し、街に困窮者があふれた。こうした困窮者、病者、孤児、老人、障害者などのための保護施設として養育院は生まれた。この養育院の創設に深く関わったのが渋沢栄一だった。渋沢は1879年に養育院院長に就任すると91歳で亡くなるまで50にわたり院長を務め、社会福祉の分野に大きな足跡を残した。

養育院の発祥の地は現在東京大学がある旧加賀藩の藩邸の地だった。その後、上野、神田、本所、大塚など転々とし、関東大震災後にこの板橋に移転した。この渋沢像は、端然として揺るぎない感じを受ける。

渋沢の墨蹟による「養育院本院」の碑も見どころだ。

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