「魯迅」 - パブリックアート散歩

タイトル	魯迅
作者	不明
設置場所	仙台市青葉区　仙台市博物館
製作年	2001(設置)
備考	浙江省紹興市🇨🇳中国(寄贈)

魯迅は、1881年生まれの小説家。清国の浙江省出身。幼い頃は裕福な家庭だったが、父の獄死で没落した。1902年に国費留学生として来日。

1884年に日清戦争で日本に敗れた清国は、日本に学ぶという政策をとり、積極的に日本に留学生を送った。魯迅と同じ1902年に清国からやってきた留学生は、600人あまりと言われている。魯迅は、来日してまず日本語学校で学んだのち、1904年に仙台医科専門学校に中国人初の留学生として入学する。ニーチェ、ダーウィン、ゴーゴリーなどを愛読し、SF小説のヴェルヌ「月界旅行」、「地底旅行」を翻訳する。1905年に日露戦争が勃発。医科専門学校に在学中だった魯迅は、教室の幻灯機で投影された日露戦争のニュース映像のなかで、母国の人々が屈辱的に扱われる姿を見たことで小説家を目指すことを決意したという。

当時、日本は脱亜入欧を目指し、中国人を下に見る風潮があった。また、中国人留学生たちも昔ながらの弁髪を変えないなど古い慣習に拘るものも多かった。魯迅も、7年間の留学期間中に、親友と呼べる存在はできなかったという。しかし、恩師だった藤野先生とは確かな信頼関係で結ばれていた。滞在中に出会った日本人とも心の交流があった。魯迅は、日本を愛する心は強かったが、その侵略行為は憎んでいた。その相反する心が、魯迅の文学の根底に流れていることは間違いないようだ。

下記の記事等を参考にした。