タイトル | アダム(Adam) |
作者 | オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin) |
🇫🇷フランス | |
設置場所 | 東京都台東区 国立西洋美術館 |
製作年 | 1881年(原型) |
ロダンは、革新的な彫刻家と言われる。それは、例えばこの像を見れば感じることができる。
もともとこの像は、地獄の門を制作するにあたり、エヴァと共に門の両脇に配置される予定だった。それまでの彫刻作品は、少し乱暴に言えば外面の美しさを追求することに重きを置いていた。しかしロダンは、作品を通じて、内面にある感情の動きを表現することを標榜した。ロダンは、自らの言葉で、「筋肉の動きで内面を表現したい」と語っている。
このアダムは、整った美しさを感じさせるものではない。変に捻じ曲がった左腕、あまりにもかしいだ首。歪んだ右半身。そこから、アダムの苦悩が強烈に訴えかけてくる。それは、地獄の門の製作に苦しむロダン自身の苦悩を投影したものであり、また、現代の私たちの生き辛さにも通ずるものになっていると感じる。
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