タイトル | 青年の樹 |
作者 | 渡辺義知 |
設置場所 | 東京都千代田区 新霞ヶ関ビル |
製作年 | 1958 |
この敷地には、霊友会の創始者である久保角太郎の13回忌を記念して1958年に落成した久保記念講堂が建っていた。この「青年の樹」は、記念講堂落成を祝い、霊友会から久保記念講堂に寄贈されたもの。講堂の大ホールは1000人収容可能で、RCサクセションなど、多くのアーティストのコンサートに使用された。久保記念講堂はその後社会事業会館に寄贈され、1986年には再開発のため閉館した。
この渡辺の作品では、男性と女性の間に育ちつつある樹が配置されている。特徴的なのは男性の持つショベル。その左足はショベルの足掛けに載っている。男性の、女性を慈しむような視線が優しい。女性は未来を信じるように若い枝を握りしめている。
渡辺義知は1889年に東京の銀座に生まれる。第二次大戦中に二期会で発表した「国土を譲る」連作は評判となった。戦後は路線の対立から二期会を除名され、日展の作家となる。晩年の作品に、「広島赤十字原爆殉職者慰霊塔」など。1963年没。
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