「牧歌」岩野勇三

2023.4 撮影
タイトル牧歌
作者岩野勇三
設置場所仙台市青葉区台原森林公園
製作年1987

岩野勇三は1931年に新潟県の高田市に生まれる。1949年、県立高田高校在学中に佐藤忠良からデッサンの指導を受けはじめる。卒業後も佐藤の指導を受け、佐藤が舟越保武や本郷新らと1939年に設立した新制作協会彫刻部に参加、1950年に「タケダ君の首」「立つ女」で新制作協会展で初入選。以後も国内の彫刻展に入選を重ねる。1966年に佐藤が中心となり設立された東京造形大学に、建学時から教員として参加。1967年に助教授、1979年に教授となる。まさに、佐藤忠良の直弟子としてキャリアを積み重ねた。

この作品は、佐藤忠良を彷彿とさせる、リアルな日本女性を見事に造形した美しい裸婦像。ヤギの動きも巧みである。しかし、ヤギに食べさせる紙を裸婦が口にくわえるユーモアは、佐藤には決してないものである。伸び上がる足の爪先の表現に、岩野勇三の真髄を感じる。

1987年、この「牧歌」を製作した年の8月25日に、岩野は肺ガンでこの世を去る。56歳の若さだった。「牧歌」は、岩野が最後にこの地上に遺した、生命への賛歌だった。

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