「熊谷次郎直実公銅像」北村西望

2022910 撮影
タイトル熊谷次郎直実公銅像
作者北村西望
設置場所埼玉県熊谷市 JR熊谷駅北口
製作年1974

熊谷直実は鎌倉時代初期の武将。武蔵国熊谷郷を本拠地とした。幼い頃父を亡くし母方の伯父に育てられる。源平合戦では初め平家側だったが途中から源頼朝につく。一ノ谷の戦いなどで活躍し、鎌倉幕府の有力武将となる。

その一ノ谷の戦いで、熊谷直実に関する有名なエピソードがある。汀を逃げようとした騎馬に「敵に後ろを見せるは卑怯なり」と声を掛けて扇を振ると、相手は戻ってくる。一騎打ちになり直実が組み伏せると、相手は自分の息子くらい若い公家だった。この公家を討ち取った直実は激しく後悔するというストーリー。討ち取った若者は、首実検で清盛の甥・17歳の平敦盛ということがわかる。。「平家物語」の「敦盛」の段である。この北村西望の作品は、まさに扇を振って敦盛を呼ぶところ。渡辺崋山の描いた「直実挙扇図」を下敷きにしたとのこと。西望の写実力が冴える。

直実は若い敦盛を討ったことを恥じ、出家して仏門に入る。その子孫たちは、鎌倉時代を通じてここ熊谷を拠点とする有力な御家人として権勢を振るった。

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