
タイトル | 母娘遍路像建立碑 |
作者 | 不明 |
設置場所 | 東京都東村山市 国立ハンセン病資料館 |
製作年 | 1993 |
母娘遍路像の建立碑。碑文を採録する。
「母娘遍路像」建立碑
野の花を摘みて子遍路おくれけり
お遍路は信仰の旅であると同時に、職を奪われ、故郷を追われた人々の生活を支える旅でもあった。
江戸時代以来、ハンセン病者の多くが遍路となって四国へ渡った。四国にはお遍路を温かく持て成す〈お接待〉の風習があり、病者たちはこれに残る命の糧を求めたのである。
しかし、不自由な躰に八十八ヶの札所の旅は遥けく遠い。あるいは遭難により、あるいは病の進昂により、道半ばにして斃れた遍路も少なくなかった。遍路墓には、今もそうした人々の悲しい歴史が埋もれている。
平成2年、わが国のハンセン病者が辿った苦難の人生を歴史の事実として世に残すため、多磨全生園大師講を中心に「母娘遍路像建立委員会」を結成、同5年11月、全国の人々から寄せられた善意をもとに、この「母娘遍路像」は建立された。
安んじて親族と暮らせるその日まで、
隔てなく命輝くその日まで、
母娘遍路の旅は果てない。
平成5年11月吉日
母娘遍路像建立委員会
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