「弥陀如来」木喰但唱

2022.11 撮影
タイトル弥陀如来
作者木喰但唱(オリジナル)
設置場所東京都品川区 帰命山如来寺養玉院
製作年1635(創建)、1751〜1764(再建)

木喰但唱の彫った五智如来像のなかの一尊。但唱のオリジナルは焼失したが、1751〜64年に、焼けた他の3尊とともに再建された。

弥陀如来(阿弥陀如来)は、諸仏のなかで最も光輝く仏で、極楽浄土の教主。弥陀如来は、どんな重い罪を背負った者でも救うことができるという。薬師如来が現世利益の如来なのに対し、弥陀如来は死後の救済をつかさどる。鎌倉の大仏、中尊寺の木造阿弥陀如来坐像なども弥陀如来である。

五智の智慧は「妙観察智」の担当。感情や感想、予測、推測などの先入観を排し、ただその対象とひたすら相対して生まれるものを大切にせよという教え。意識下にある6識(第六感)=直感を信じる智慧。現代にも通じる。

弥陀如来の印相は親指と他の指で輪を作るのが基本で、親指と人差し指の場合が上品、中指だと中品、薬指なら下品となる。位置も3種類あり、輪を作った両手を腹下で合わせると上生印(定印)、両手を胸の前に置くと中生印(説法印)、右手を肩のあたり、左手を腹下に置くと下生印(来迎印)となり、合わせて9種類となる。この御仏は上品の下生印(来迎印)の印相ということになる。

この仏様は、衆生を救う弥陀の決意が伝わる堂々とした像形と感じる。

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