
タイトル | 家族 |
作者 | 今野中 |
設置場所 | 東京都豊島区 メトロポリタンプラザ |
製作年 | 1985 |
今野中(かなめ)は、彫刻家・競技用自転車のフレームビルダー。
今野兄弟は、1960年代に、草創期の競技自転車の世界で一世を風靡した。6人兄弟が全て競技自転車に関わっており、3つの自転車メーカーが生まれた。3つのメーカーとも全て、その製作した自転車がオリンピックに出場した。長男の今野仁は「ケルビム」立ち上げ、現在は2代目・今野真一が日本最高峰のオリジナル自転車を製作している。競輪界のレジェンド・神山雄一郎も「ケルビム」を愛用していた。次男・今野義は自転車競技者としてオリンピック出場をほぼ手にしていたが、練習中の事故により競技を断念、その後、自転車メーカー「三連勝」を立ち上げフレームビルダーとして成果を残した。「三連勝」には、滝澤正光や十文字貴信らが乗った。4男・今野信と5男・今野中による自転車メーカーが「ミユキ」。信も中もフレームビルダーだったが、中は変わり種で、東京藝術大学卒業後、国内のみならずロンドンなどでも彫刻家として活躍していたが、フレームビルダーとしても優秀な腕前を持っていた。
1992年のバルセロナ五輪では、鈴木裕美子が今野中の製作した「ミユキ」の車体で出場。鈴木裕美子は、現在は今野信(現姓・鈴木)の配偶者。また、3男・今野庸の妻となった今野栄は、日本で初めて世界戦に出場した女子自転車ロードレース選手だが、3メーカーで作ったフレームの中から今野中のものを好んで使っていたという。
今野中の情報は自転車方面からだけで、彫刻家としては経歴は詳らかではない。この「家族」は、中が育った兄弟の在り方や、1ミリのズレも許されないプロダクトビルダーとしての経験が生きているように、私には感じられたが、いかがだろう。
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