「和歌プレート」藤原良経

2023.5 撮影
タイトル和歌プレート(秋篠月清集 藤原良経)
作者藤原良経
設置場所仙台市宮城野区 宮城野通り

仙台市宮城野区の宮城野通りには、「宮城野」にちなんだ和歌が10首、歩道に埋め込まれている。この和歌では、3句目に「宮ぎ野」が詠み込まれている。

わすれずよ
かりねに月を
宮ぎ野の
まくらにちかき
さをしかのこえ

藤原良経は1001年生まれ、新古今和歌集時代の代表的な歌人。藤原北家の貴族で、家柄も抜群。歌人としても、「六百番歌合」を主催し、和歌所の寄人筆頭として新古今和歌集の撰修を行った。新古今和歌集の仮名序は良経の作で、第一巻の冒頭も良経の歌である。

この和歌、「わすれずよ」は「決して忘れないよ」。「かりね」は「うたた寝」、「月をみやぎの」は掛詞と考えると「月を見ていると」となる。「さをしか」は「牡鹿」。歌の大意は、「うたた寝をしながら月を眺めている時に聞こえてきた牡鹿の鳴き声は、まるで枕の近くて鳴いているように感じられ、心に残って忘れられない」と、嫋々たる宮城野の風情がを詠んだ歌ではないか。素人の訳なので、違ってたらすみません。掛詞を巧みに使い、朧げな情景をしっとりと歌いあげており、見事と思いました。

宮城野通りには10首設置されているとのことだが、私は3首しか見れなかった。事前にこれがあるとは知らずに通ったことと、他に回りたいパブリックアートも多かったので、コンプリートは断念した。次回、機会があれば宮城野通りをじっくり楽しみたい。

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