「和歌プレート」西行法師

2023.5 撮影
タイトル和歌プレート(山家集 西行法師)
作者西行
設置場所仙台市宮城野区 宮城野通り

仙台市宮城野区の宮城野通りには、「宮城野」にちなんだ和歌が10首、和歌プレートとして地面に埋め込まれている。この歌では、結句に「宮ぎの」と織り込まれている。

あはれいかに 
くさはのつゆの 
こぼるらむ 
秋風たちぬ 
宮ぎののはら

古代、宮城の大地は宮城野と呼ばれ、秋に萩が咲き乱れる風光明媚な場所として貴族たちの憧れの的だったという。

この歌は西行のもの。西行は1118年、平安時代の末期に生まれる。俗名は佐藤義清。もとは徳大寺家に仕える武士だった。1140年に出家して西行と号する。出家後は洛内の各地にに質素な草庵を結び、そこで情感あふれる歌を詠んだ。また、西行は漂泊の歌人であり、日本各地を旅して歌にしたためた。最初の旅先は、西行30歳ごろに訪れた陸奥。ここで、宮城野の情景を心に焼き付けたのだろう。句の意味は、「草の露がこぼれるような、秋風のたつ宮城野は、どんなに美しいだろうか」というくらいの意味だと思う。かつて訪れた宮城野を懐かしく思い出している風情。素朴で素直な作品だなあと好ましく感じた。

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