
タイトル | 六十六部供養塔 |
作者 | 不明 |
設置場所 | 東京都品川区 しながわ水族館入口 |
六十六部行者は、鎌倉時代から室町時代にかけて、法華経を書写しながら全国六十六カ所の霊場を巡り各霊場に法華経を納経した巡礼者たちのこと。江戸時代になると国内の移動が制限されたが、六十六部廻国行者には特例措置が与えられ、諸国を巡礼することができた。
純粋に宗教的な動機から廻国するもあれば、様々な理由で世を捨てて行脚する者、罪を犯し贖罪のために廻る者もあった。途中で行き倒れる者もあった。六十六部行者は土地の人々と結縁し、供養塔を建てられることもあった。この供養塔もその一つ。
この供養塔が立っているのは、鈴ヶ森刑場の跡地。鈴ヶ森刑場は、1651年に開設された江戸時代の処刑場。最初の刑死者は、由井正雪の乱に関わった丸橋忠弥と言われている。1871年に廃止されるまで、10万人から20万人が処刑された。江戸のシリアルキラー・平井権八、将軍吉宗の落胤を騙った天一坊、放火の罪で火炙りに処された八百屋お七などがここで刑死した。
六十六部供養塔がなぜここにあるかは不明だが、巡礼者のなかに犯罪者もおり、廻国を終え満願結縁したあと捕縛され鈴ヶ森の露と消えた者がいたのかもしれない。
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