「モース博士像」盛岡公彦

2022.10 作家
タイトルモース博士像
作者盛岡公彦(立体写真像株式会社)
設置場所東京都品川区 大森貝塚遺跡庭園

エドワード・シルヴェスター・モースは1838年にアメリカメイン州ポートランドに生まれる。学校になじめず、ポートランドの村の学校、コンウェイのアカデミー、ブリジットン・アカデミーの全てで次々に退学処分を受けた。

次のグールド・アカデミーでは貝やカタツムリの観察・蒐集に取り憑かれ、12歳までに新種のカタツムリ数種類を協会誌に発表するなど優れた成果をあげた。その後も仕事や軍務に従事しながら軟体動物や腕足動物の観察・蒐集・研究をすすめ、1871年には大学卒業の資格がないにもかかわらず、ボウディン大学の教授に就任し、ハーバード大学の講師も務めた。

1877年に、進化論の研究のため腕足類の種類が豊富な日本に渡ったモースは、文部省に交渉に赴く途中の汽車の車窓から貝の層を発見した。これが大森貝塚。その後、請われて東京帝国大学教授を2年間つとめ、日本に初めて進化論を体系的に伝え、日本の動物学、考古学の基礎を構築する力になった。また、江ノ島の漁師小屋を改造して実験所にして、日本の海洋生物の観察・蒐集を行った。

任期を終えモースはアメリカにいったん帰国するが、日本を合計3回訪れた。3回目の来日では陶磁器や民具に強い興味を示し、その後世界を巡り、陶磁器2,900点、民具700点を蒐集する。晩年は、動物学者というより陶磁器コレクターになったようだ。

この銅像は、貝塚から発見した縄文土器を興味深そうに観察するモース博士。叶うなら、一度講義を受けてみたかったなあ。

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