タイトル | 不明 |
作者 | 不明 |
設置場所 | 東京都品川区立品川浦公園 |
ここ品川浦公園に隣接した利田神社には鯨塚があり、「寛政の鯨騒動」で捕獲された鯨の頭が埋葬されている。
1798年(寛政10年)のこと。前日の嵐の影響か、品川沖に一頭のクジラが忽然と現れた。品川の漁師はクジラを見たこともなかったが、皆で天王洲まで追い込み、暴れたクジラは浅瀬に乗り上げ遂に生きたまま捕獲される。
噂は瞬く間に広がり、生きたクジラを、一目みようと近くの村からも人々が見物に集まった。漁師たちはクジラに縄を掛けて浜御殿の沖まで曳いていき、時の将軍徳川家斉に見せると興味深々でいつまでも見ていたという。品川沖に戻されたクジラは、「将軍様御上覧の鯨」ということになり、ますます人気が上がり、鯨の絵が染め抜かれた手拭いや食べ物も販売されていたという。滝沢馬琴の「鯨魚尺品革羽織」や十返舎一九の「大鯨豊年貢」などの本も作られ、「品川の 沖にとまりしせみ鯨 みなみんみんと 飛んでくるなり」という狂歌も流行した。
この日は、鯨塚は夜だし撮影しなかったが、またの機会があれば見てみたい。鯨塚の方には川柳が刻まれている。「江戸に鳴る 冥加やたかし なつ鯨」(谷素外)。「冥加」とは「神仏からの加護」のこと。「江戸でも評判になったクジラがやってきて、皆んなラッキーだったね」くらいの意味か。
(参考)3しながわの昔ばなし(三、寛政の鯨).docx (live.com)
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