「腕を上げる女」エミール=アントワーヌ・ブールデル

2022.7 撮影
タイトル 腕を上げる女(Grande Femme Bras Lavés)
作者エミール=アントワーヌ・ブールデル(Émile-Antoine Bourdelle)
🇫🇷フランス
設置場所大阪市中央区 御堂筋彫刻ストリート
製作年1909

ブールデルの柔らかく力強い作品。豊穣という言葉が似合いそうだ。

ブールデルは、1861年に生まれる。1888年のベートーヴェン像で注目され、1893年からはロダンの愛弟子となる。ロダンとは深い師弟関係にあったが、1909年にブールデルは畢竟の大作「弓を引くヘラクレス」を発表。ロダンの影響下から一歩踏み出し、古典へ回帰する作品としてブールデルの名声を不動のものとした。ブールデル48歳の年である。

この「腕を上げる女」は、「弓を引くヘラクレス」と同年の1909年の製作。ブールデルが人生の飛躍の瞬間を向かえたころである。プライベートでも、最初の妻ステファニーとの1904年から1910年と短い結婚生活を終えようとしていた。このころ、ブールデルは女神ペネロープ像を製作しているのだが、ブールデルは当初、愛弟子のクレオパトールの全身をモデルとしていたが、途中から顔だけ妻のステファニーに変えるということもしている。クレオパトールは、1918年にブールデルの後妻になる。「腕を上げる女」のモデルがステファニーかクレオパトールかその他の人物かは私にはわかないが、この御堂筋彫刻ストリートには1906年に製作されたクレオパトールをモデルにした「休憩する女彫刻家」も設置してあり、合わせて見ると感慨深い。

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