「ミレーとルソーの記念碑」アンリ・シャピュ

2022.10 撮影
タイトルミレーとルソーの記念碑(Monument of Millet and Rousseau)
作者アンリ・シャピュ(CHAPU, Henry)
🇫🇷フランス
設置場所山梨県甲府市 芸術の森公園
製作年1884(オリジナル)、1993(複製設置)

山梨県立美術館は、ジャン・フランソワ・ミレー作の世界的に有名な絵画「種まく人」と「夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い」を所蔵している。ミレーは農民や農村をテーマにした画家でバルビゾン派として知られる。「落穂拾い」や「晩鐘」など多くの名作を残した。山梨県では、田園の原風景やありのままの自然を芸術に昇華したバルビゾン派の絵画を積極的に蒐集しており、ミレーだけで70点を集める。また、美術館内に「ミレー館」を新設し、前庭にもバルビゾンの庭を設けた。このシャビュの彫刻も、バルビゾンの庭に設置されている。

バルビゾン派が活動したのは1830年ごろから1870年代にかけて。それまで、宗教画や神話を描いた絵画が尊いとされていたが、1800年代には自然主義の動きが生まれ、ありのままの自然そのものを描く画家たちが生まれた。こうした画家たちはバルビゾンの森に集まり創作活動を続けた。ミレーもルソーもそのメンバーの一員だった。

日本の道徳の教科書にも載っていたミレーとルソーのエピソードがある。同じバルビゾン派の中でもルソーは絵が売れていたがミレーの絵は売れず極貧の中にいた。親友を助けたいと思ったルソーは、アメリカの架空の人物からの依頼ということで、ミレーの「接木をする農夫」という絵画を高額で購入する。何年も経って、画家として成功したミレーが病床のルソーを訪ねたとき、ルソーの自宅にこの絵が飾られていたのを発見する。ミレーは「この絵は、なんて幸せな絵だろう」と言って涙をこぼしたというお話。

アンリ・シャピュは1833年生まれのフランスの彫刻家。ルソーの21歳年下、ミレーの19歳年下になる。レリーフの右がミレー、左がルソー。同時代を生きたシャピュの、二人の友情に寄り添った肖像彫刻。

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