「築地本願寺」伊東忠太(設計)

2022.9 撮影
タイトル築地本願寺
作者伊東忠太(設計)
設置場所東京都中央区 築地本願寺
製作年1943
備考重要文化財

築地本願寺は1617年に西本願寺の別館として現在の東日本橋に創建された。1657年の明暦の大火で本殿が焼失。江戸幕府の区画整理により旧地での再建が許されず、八丁堀沖の海を用地として下付された。そこで、門徒一同で八丁堀沖を埋立て土地を築き1679年に再建が叶った。そこで、この地は築地と呼ばれるようになる。

1923年の関東大震災で、築地本願寺はなんとか倒壊を免れたが、直後に起こった火災で焼失してしまった。浄土真宗本願寺派法主の大谷光瑞は、この寺院再建の設計を東京帝国大学名誉教授の伊東忠太に依頼した。

伊東は、仏教の源流はインドとの信念のもと、画期的で他に類を見ない独特の仏教寺院を設計した。中央部分と、左右に展開した北翼、南翼から構成されている。中央部分にはインド建築の特徴であるヴォールド(かまぼこ型の構造)の堂々たる屋根が座する。北翼には鐘楼、南翼には鼓楼と、それぞれインド建築の意匠を活かした塔が建てられている。また、2階部分のパラベット(手すり壁)も装飾に富み、エキゾチックな味わいを作り出している。鉄筋コンクリート製の寺院ということも画期的だった。

その野心的なコンセプトと絶妙の均整は、日本を代表する、建造物の傑作といえる。重要文化財。

2022.9 撮影
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