「LA TRAVIATA」松阪節三

2022.9 撮影
タイトルLA TRAVIATA
作者松阪節三
設置場所東京都港区 ANAインターコンチネンタルホテル東京
製作年1986

「LA TRAVIATA」は、オペラ「椿姫」の原題だ。「椿姫」は、青年貴族アルフレッドと、高級娼婦ヴィオレッタの悲しい恋のストーリー。二人は愛し合っているのに誤解しお互いを傷つけあい、最期にヴィオレッタは帰らぬ人となる。

オペラへの勧誘

この像は、佐藤しのぶ嬢の演ずるヴィオレッタが、「椿姫」終幕で、アルフレッドの上衣を一人抱きしめているところです。この公演は、鬼才三谷礼二氏の型破りな演出で、椿姫の最后に恋人は間に合いませんでした。
1981年10月21日夜、二期会オペラ「椿姫」の幕切れは、床踏みならして「演出ブー!」と「いいぞ三谷」の声援と、大輪の薔薇・新人ソプラノ - 佐藤しのぶへの「ブラーヴァしのぶ」のしのぶコールで、騒然となりました。当夜は、観客の借りものでない意見の表明・「三谷版」椿姫の上映・みてきいて花のある大型ソプラノの登場、の三点から、日本オペラ界にとり記念すべき夜でした。幕は、半時下りませんでした。
1986年5月22日
撰文 羽鳥英一

本来「椿姫」の終幕は、絶望のなか病床に臥しているヴィオレッタのもとにアルフレッドが到着し、再会の歓喜と愛の絶頂のなか悲劇が訪れるという落差のある設定である。三谷礼二はアルフレッドがヴィオレッタの死に間に合わなかったというプロットに書き換えた。この彫刻は、書き換えられたプロットで強調されたアルフレッドの不在を象徴するシーンとなる。

この彫刻は1986年5月の製作だが、隣接するサントリーホールのオープンがこの年であり、1986年10月12日に柿落とし公演が行われたので、それに合わせたものではないか。サントリーホールでも、「LA TRAVIATA」は何度も上演されている。

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