「産業遺構・錨」

2022.9 撮影
タイトル産業遺構・錨
作者不明
設置場所東京都江東区 豊洲IHIビル
製作年2000(設置)

錨には、大きく分けて2つのタイプがある。ストックアンカーとストックレスアンカーだ。

この錨はストックアンカーである。写真の向かって左側の地面に刺さっている棒がストック。向かって右のシャベルのような部分が爪(フリューク)で、ストックと爪を結んでいる軸がシャンクである。

錨が下ろされるとこの写真のように海底に接地する。チェーンで引くと、錨はこの写真の左方向に引っ張られる。すると、ストックを支点にしてシャンクが左右どちらかに回転し、爪のどちらかが深く海底に食い込み高い把駐力を生み出す。ストックは90度回転して水平になり海底に接する。ストックタイプのアンカーは、紀元前6世紀から使われてきた優れた錨だが、ストックがあるため揚投錨時に手間がかかり、収錨時に船体を傷つけるおそれがあるため、18世紀に発明されたストックレスアンカーが主流になった。船を繋ぎとめる把駐力はストックアンカーの方が強い。

この錨は典型的なストックアンカーで、わかりやすく美しい。

(参考)船の錨(アンカー)ってどんな形?アンカーの構造と原理 – 外航海運船員の船乗り日記

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