「礼拝」高田博厚

2022.6 撮影
タイトル礼拝
作者高田博厚
🇯🇵日本 🇫🇷フランス
設置場所埼玉県東松山市 高坂彫刻プロムナード
製作年1982

この作品が、ここ高坂彫刻プロムナードにある高田の最晩年の作品になる。珍しく裸体ではなく着衣の像。そして、静かな祈りを捧げていることも特異である。

高田は、幼い頃から敬虔なクリスチャンだった。熱心なクリスチャンの母のもと2歳で洗練を受けた高田の一生に、キリスト教は大きな影響を与えた。高田にとって彫刻は、神とは何かを考えるための人生を賭けた営みだったのかも知れない。

31歳で、妻と4人の子どもを日本に残してフランスに渡り、以後27年も帰国しなかった高田が探し求めたものは、ヨーロッパの文化と一体になった神の真髄だったのではないだろうか。

彫刻家の人生の最後の作品は、慈愛と祈望に満ちた穏やかな作品だった。折り重なる繊細な指の造形、着衣の下に感受できる確実な肉体の表現。そして、未来を祈念するような美しい眼差し。

傑作だと思います。

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