
| タイトル | 犬の詩 |
| 作者 | 柳原義達 |
| 設置場所 | 千葉市中央区 青葉の森公園 |
柳原義達は、戦後の彫刻界をリードした彫刻家。この「犬の詩」は、人間のリアリティが描かれた傑作で、柳原義達の代表作と言っても良いと思う。
柳原義達は1910年、兵庫県生まれの彫刻家。兵庫県立神戸第三中学校を卒業後、京都に移り日本画の画家を志す。そのころブールデルの「アルヴェル将軍大騎馬像」を図版で見て衝撃を受け、以後彫刻家を目指す。21歳で東京美術学校彫刻科に入学し、1936年に卒業。東京美術学校では朝倉文夫に師事する。1939年に佐渡忠良、舟越保武らと新制作協会彫刻部を創立。
1945年、京都疎開中に招集令状を受け取るが、8月15日、出征しようとしていた和知駅のホームで終戦を知る。この戦争で、柳原は弟の戦死も経験する。また。戦後間もない1946年にアトリエの火災のため、戦前の作品のほとんどを失ってしまう。柳原にとって、これは取り返しのつかない出来事だった。柳原は、この件に関する「私なりのレジスタンスとして」、「犬の唄」を製作したという。
初期の柳原義達の作品は、正確な再現性を持った端正たものだったという。自らの芸術性を深化させ、一からの出直しを図る狙いで、柳原は1953年にパリに渡る。パリから戻った柳原は作風を一変させ、緩やかな曲線、曖昧な輪郭の人物を創出するようになる。また、柳原の代名詞ともいえる鳩や鴉も積極的に製作するようになった。
この「犬の詩」は、柳原のターニングポイントとなる貴重な作品。東京都庁にも展示されているが、ここ青葉の森では自然豊かな環境でゆっくりと鑑賞できることは嬉しい限りだ。
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