
タイトル | 橄欖の碑 |
作者 | 齋藤阿具 |
設置場所 | 東京都目黒区 東京大学駒場Ⅰキャンパス |
碑のそばの説明板は下記の通り。
橄欖(かんらん)の碑
齋藤阿具(明治元年・1868~昭和17年・1942)は第一高等学校の教授で教頭を勤め、退職後も講師として死去するまで同校で教鞭をとった。彼自身も一高の卒業生(明治23年・1890)で、夏目漱石と同期である。一高教授に着任前の第ニ高等学校在任中に、ドイツ、オランダに留学し、帰国時にオリーヴの苗木を持ち帰った。この苗木は、千駄木の自宅に植えられた後本郷の一高本館の右手に植えられたが、一高の駒場移転に際し、現在の場所に移植されたものである。碑の表面の『橄欖』と裏面の「昭和八年 教授齋藤阿具寄贈」文字は、齋藤の自筆である。
日本で最初にオリーブが植えられたのは江戸時代末期の1862年と言われている。医師の林洞海がフランスから輸入した苗木を横須賀に植えたが、この木は実をつける前に枯死したとのこと。齋藤阿具が仙台の第二高等学校教授としてドイツ・オランダに渡ったのが1903〜1906年のことなので、齋藤の自宅に植えられたのは1906年にということになる。
齋藤は歴史学者だったが、珍しい植物に興味を惹かれたのだろう。確かに、ヨーロッパの歴史を考える上で、オリーブは欠かせないものなのかもしれない。なお、齋藤阿具は夏目漱石の友人で、齋藤がドイツ・オランダに留学していた時には千駄木の自宅を漱石に貸していた。「吾輩は猫である」は、齋藤の千駄木の家で書かれた。現在も、齋藤のオリーブは東大駒場キャンパスで元気に葉を茂らせている。小豆島にオリーブが持ち込まれ、本格的に栽培が始まったのは1908年だった。
なお、東京大学駒場キャンパス内に、「ルヴェ ソン ヴェール橄欖」というフランス料理店があり、この店を目当てに東京大学駒場キャンパスを訪れる客も多い。
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