「春」舟越保武

2023.4 撮影
タイトル
作者舟越保武
設置場所千葉市中央区 青葉の森公園

舟越保武は1912年、岩手県二戸郡一戸町出身。父は敬虔なカトリック信者だった。県立盛岡中学校卒業。盛岡中学校では松本竣介と同級生だった。高校在学中に高村光太郎訳の「ロダンの言葉」を読んで彫刻家を目指す。1934年に3度目の受験で東京美術学校(後の東京藝術大学)に合格。同期に佐藤忠良がいた。佐藤とは、生涯を通じた盟友となる。1939に卒業。同1939年に、佐藤忠良、柳原義達、本郷新ら7人で新制作協会彫刻部を設立し、戦後の彫刻界をリードする存在となった。

1950年に、生まれて間もない長男の一馬が急逝する。舟越は深く悲しみ、この出来事を契機に一家でキリスト教の洗礼を受ける。なお、次男・舟越桂、三男・舟越直木は彫刻家、長女・末盛千枝子は児童文学編集者、次女・舟越カンナはアーティスト・絵本作家。

舟越保武は生涯を通じて端正な人物像を製作し続けた。特定のモデルはいなかったという。自分の理想のフォルムを形にしていく。舟越は、1987年に脳梗塞に見舞われ右半身が不随になってしまう。しかし、舟越の創作へ向かう魂の炎は消えることはなく、不自由な体で「ゴルゴダ」などの傑作を生み出した。それまでの、天使のような繊細な造形は影をひそめ、ルオーの宗教画のような荒削りの面貌が顕れた。残念ながら、晩年の舟越作品を私は未見だが、きっと魂が震えるような作品群だろうと想像する。

パブリックアート散歩 - Google マイマップ
ブログ用地図

コメント

タイトルとURLをコピーしました