





手形の主 | 製作年 | 碑文 |
美空ひばり | ||
三田佳子 | 信じる者は美しい | |
三橋達也 | 行くに径に由らず | |
三船敏郎 | ||
宮本信子 | タンポポ タンポポ 砂浜に春が目をひらく | |
森光子 | 花のいのちは短くて 苦しきことのみ多かりき |
昭和を代表するスーパースター・美空ひばりの伸びやかな右手。映画スターとして、また、歌謡界の女王として駆け抜けた。1937年横浜生まれ。主要楽曲は「柔」「川の流れのように」「悲しい酒」「真っ赤な太陽」「悲しい酒」「真っ赤な太陽」など。映画「伊豆の踊り子」「秀頼と千姫」など。
三田佳子は1941年大阪生まれ。小学校2年の時に両親が離婚し母と暮らす。中学3年のときの児童劇団「ちどり」から芸能生活をスタート。1960年に第二東映に入社。同年18歳で「殺られてたまるか」で映画デビュー。代表作は映画「遠き落日」「Wの悲劇」「春の鐘」「極道の女たち三代目姐」など。「信じる者は美しい」の碑文。映画の可能性を信じ続けた女優の美しい右手。
三橋達也は1930年に北海道で生まれる。3歳の誕生日前日に父を亡くす。三橋の母は民謡歌手で、達也も5歳から舞台に立つ。9歳の時に全道民謡コンクールで優勝。小学校卒業後は国鉄の日雇い労働の傍ら津軽三味線を学ぶ。19歳で上京し、苦労を重ねながらチャンスを掴み、1954年にキングレコードから「酒の苦さよ」でレコードデビュー。以後、歌手としとヒットを重ねる。「行くに径に由らず」は三橋の人生を体現したような碑文。
三船敏郎は言わずと知れた大スター。三船が主演した「羅生門」「七人の侍」「天国と地獄」などの黒澤明の映画は、日本映画の至宝である。その手形は、恬淡として伸びやかだ。
宮本信子は1945年北海道出身。1963年に文学座、1964年に青俳に入所する。1969年に伊丹十三と結婚。1984年に伊丹が監督した映画「お葬式」でブレイク。「タンポポ」「マルサの女」など、伊丹十三の映画全てに出演した。碑文は荻原井泉水の句。1997年に不可解な死を遂げた夫の魂は、海辺のタンポポとして咲いているのだろうか。
森光子の手形の碑文は、「放浪記」の一節。林芙美子原作の「放浪記」は、菊田一夫脚本、森光子主演で1961年に芸術座で公演された舞台。2009年まで通算2017回を数えるロングラン公演となった。「花のいのち」は短いけれど、放浪する魂は長く温かく人々の心を励まし続けた。
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