タイトル | 愛の像(アガペー) |
作者 | 横江嘉純 |
設置場所 | 東京都千代田区 JR東京駅丸の内口 |
製作年 | 1955 |
第二次世界大戦で日本が敗北し終戦を迎えた後、各地で戦争犯罪人の裁判が行われた。裁判で有罪となり亡くなった人々は1000人を超える。刑死の場所は、日本だけでなく、中国、蘭印(蘭領東印度)、ビルマ、マレー・北ボルネオ、香港、豪州、仏印(仏領印度支那)、比島、グアム島などさまざまで、階級も大将から下位軍人、民間人までいろいろだった。
A級戦犯が収監された巣鴨プリズン内に「巣鴨遺書編纂会」が置かれ、こうした人々の遺書が収集された。多くの遺族その他から遺書や遺稿が寄せられ、1953年にそれを編纂した「世紀の遺書」が出版された。収録された遺書は701篇に及ぶ。会は、死刑により刑死した人だけでなく収監中に病死、事故死、自決した人も含め「法務死」とした。
この本の収益金の一部をあて、1955年に東京駅丸の内口にこの「愛の像」が設置された。多くの兵士が出征していった場所である。像を製作した横江は無償でこのプロジェクトに参加した。
出征する前は、気のいい人々だったはずなのに、命をながらえて終戦を迎えたはずなのに。その無念ははかりしれない。現地の人にとっては決して許されない罪ではあろうが、運命というにはあまりに酷すぎる。
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