「平和の群像」菊池一雄

2022.5 撮影
2022.5 撮影
2022.5 撮影
タイトル平和の群像
作者菊池一雄
設置場所 東京都千代田区 三宅坂小公園
製作年1951
備考広告功労者顕彰

この作品は戦後まもない1951年に製作された。裸婦像を、広く大衆に向けて屋外に設置した日本初の例として知られている。

第二次世界大戦前は、軍事関係者など、国威発揚のための銅像が多かった。ここ三宅坂小公園には、北村西望の手による寺内元帥騎馬像があった。この像が戦時中の金属供出により撤去されると、台座だけが残った。

電通は、こうした台座に平和を象徴するモニュメントを設置する構想をもった。1951年に、日本電波通信社(現・電通)設立50周年記念としてこの像が製作された。広告産業に功績があった人物の名前が、石板に今でも逐次追加されている。

菊池一雄は、「愛情」「理性」「意欲」の意を込めたという。

これより先、日本各地で多くの裸婦像が製作されることになる。この作品については、小田原ののか先生のとても示唆に富んだ論考があるので、下記にアドレスをあげる。

(参考)彫刻を見よ──公共空間の女性裸体像をめぐって:フォーカス|美術館・アート情報 artscape

※製作年については、銘板に1950年製作となっていること、電通のHPに1950年と記載されていること、小田原先生の記事で1950年に新聞記事があるということから製作年を1950年することも考えられるが、小田原先生の電通50年史からの引用があるので、実際の完成は1951年だったのではないかと推定し、このサイトでは1951年とする。また、タイトルについてはパブリックアートとしての銅像自体ととらえ、「広告人顕頌碑」ではなく「平和の群像」とする。

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